拾い恋(もの)は、偶然か?



「つまりはさ、7対3、5対4でお金を出し合ってるとしても、立場が50対50なら問題ないってことだ。」

「分かる気は、しますけど。」


私はこれまで、なんでも割り勘、半分でなくちゃ嫌だった。男に負けたくない!って意固地になってるわけじゃないけど、それに近いほど自分が頑固なのは認める。

「俺は音とここで食べたい。もし音がそうしてくれるんなら、支払いは少々偏ってもいいってこと。」


別に、半分ずつ出さなくても関係が対等なら、か。


「そういうならここでいいですけど、一つ言っておきます。」

「ん?」


翔吾さんの言いたいことは分かりますとも。だけどこれだけは言っておかなくちゃいけない。


「私に合わせてほしいって言うんなら、翔吾さんも私に貢ぐ癖、直してくださいね!」

「みつ、いでるわけじゃないんだけどなぁ。」

「どの辺がですか?」


翔吾さんは思い当たる節があるのか、気まずそうに笑ってる。


「使わないチケットまで買っちゃったり、家に少しずつ私の物を増やそうとしてるの知ってるんですよ。」

「う。」

私が祥吾さんの部屋に行くのは、大体が週末。その時家に行くたび、自分のものらしい物が増えている違和感。



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