拾い恋(もの)は、偶然か?
それに、私たちみたいなカップルがこの世に一組もいないというわけでもないから、彼らの体験や生き方を学んでいくのもありだと思う。
困ったように笑った翔吾さんが、私の頬を撫でる。気持ちのいい大きな手。私、翔吾さんに撫でられるの、好きだな。
「ほら、こうなんです。」
「ん?」
声のした方を見れば、明日香さんがティーカップを傾けているところで。彼女は小さく首を横に振った。
「調べれば調べるほどこの子は、もう。」
なんだ。私になにか問題でも?明日香さんの呆れたような声音に、不安が募る。大体、調べたってどこまでなのか。真夜中に行ったコンビニで買った物まで調べられてるんじゃないでしょうね?
もはや、私の中で社長と明日香さんの存在はモラルという言葉の範疇を超えていた。信じない。信じないぞ、この2人は。
「知ってます?翔吾さんってモテるんですよ。とんでもなくね。」
自慢気なその言い方に思わず苦笑いが零れた。胸を張るその姿は、まるで「知らなかったでしょう?」とでも言いたげだ。
「ということは当然、お付き合いしている音さんへの女子社員からの妬みはすさまじいです。」
それは、そうです。身をもって経験しております。