拾い恋(もの)は、偶然か?




「さっき言った通りこいつは、翔吾は欠陥品だ。子供を作れないのだから、君が女性を好きだろうがなんだろうが問題はない。翔吾が衛を仕事で支えるためには、公私ともにサポートでき、妻として堂々と隣に立てる女性が必要だ。あなたはその条件を満たしている。翔吾の妻としての責務を果たしてくれれば、愛人を飼おうが好きにしたらいい。」


その言葉に、明日香さんは笑顔のまま、社長をまっすぐに見つめていた。

そして私は。


「音。」

込みあがる涙を、抑えることができなかった。


翔吾さんがまるで見るなとばかりに、私の目を大きな手で覆う。目の前の光景を見なくて済んだだけで、ホッとする。


社長を見なくて済むだけで、安心したんだ。


愛している翔吾さんのお父さんだけど、私は。


この人を心の底から軽蔑した。それなのに、私は社長を怖いと思ってしまった。


さっきまでは確かに、賭けをしようなんて失礼なことを言ってまでこの人と戦おうとしていたはずなのに。



こんなに非道なことを平気で言えるこの人を、心の底から怖いと思ったんだ。




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