拾い恋(もの)は、偶然か?
「もはやどこからつっこんでいいのか。」
「私からしたら衛のところは納得いかないわ。」
それは、衛の自業自得だと思うんだけど。
松崎さんと付き合う前は実際に翔吾さんの彼女を横取りしていたようなもんなんだから。でもそれをつっこんだところで、ただ面倒なだけだと思うわけだ。
「それで?その面の皮の厚い私がどうしました?」
「…そこまでは言ってないけど。」
睨み付ければ、松崎さんが肩をいさめてペロリと舌を出す。いい年して、と思うのに、くそ、美人は特よね。
「あんたに触ると、恋愛運が上がるらしいの。」
「はぁ?」
よくある、地蔵を撫でたら髪が生えるとか、そんな?
「ということはさっきの。」
「そうじゃない?」
私は地蔵と同じ扱いを受けているのかい?といっても彼らみたいに神聖なものと思われているような節は皆無なんだけど。
「彼女たち、初め悪口言ってましたけど。」
「そりゃ、やっぱり面白くないの前提なんじゃない?なら誘き出し方も悪口になってもおかしくないし。」
「いやいやおかしいですから。」
ならなにかい?私は悪口を言われた上、ご利益まで求められている、と?
「なんか、全然嬉しくない。」
「そりゃそうでしょ。私なら、知らない人に触られるなんていやよ。」