拾い恋(もの)は、偶然か?
「七瀬さん?」
「え?あっ。」
なぜか、七瀬さんがバツが悪そうに顔を歪めて、部長の後ろに隠れてしまった。
なに、そのリアクション。まるで浮気がバレたとでも言いたげ。引くつく頬をなんとか動かさないようにしてみるも、それは無理らしい。
「ふはっ、音その顔!」
「……。」
そんなに変な顔をしていたのか、部長が噴き出した。部長!ここは悠長に笑ってるところじゃないですよ!
このカフェは会社への通り道とは到底言い難い場所にある。そんなところに2人でいるのって、勘繰る人は勘繰ってしまう。
とりあえず、松崎さんだったら殴りかかってると思う。
私はというと、爆笑している部長に毒気を抜かれてしまって、疑いなんてどこかに行ってしまったようで。
「部長、もう笑いやみませんか?」
珍しい我らが司馬部長の爆笑を惜しくも止める側に回ったんだけど。
「笑ってる司馬さん、かっこいい!」
なぜか匂わせたい系女子の七瀬さんは、感動しているらしい。
「はーあ、んで?音は朝食?」
「まぁ。」
一息で通常運転に戻った部長に素直に頷けば、振り返り七瀬さんをさりげなく振り切った部長は私の腰に手を当てた。