オセロ

ママがパパに殴られた。
家が貧しかったためママは夜働くようになった。水商売だ。
だからいつも帰りは朝方。
パパが早起きしてお店のそばまで車で迎えに行っていた。


そんな日々がしばらく続いたある日、何かを不自然に思ったパパは、ママのお店に電話をしたらしい。
そこでママがとっくに店を辞めていた事を知った。

仕事場で好きな人が出来て、その人に会うためにでかけていた。
そしてパパにバレないように変わらず朝方迎えに来てもらっていたという。


優しいパパは怒りに震え、ママのほっぺは腫れていた。


ママは、貧乏に耐えられなかったようにみえた。
水商売をしだしたのは…働き出したのは… はじめから、こうなることを望んでいたのではないかと、疑ってしまう。

いずれにしろ私は深く傷ついた。
だけどこれからさらに傷つくことなど、考えもしなかった。



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