なないろ
月命日の夜。
ベッドに座り壁にもたれて、夜風になびいて開いたカーテンから覗く半月を眺める。
心は、からっぽ。
この苦しみから解放されたいと思うけれど、忘れたいわけではない。
いっそのこと、魔法使いか何かが私の記憶から朱里という存在を消してほしいとさえ思う。
でもそれじゃあ、あのたくさんの楽しい思い出もなかったことになってしまう。そんなの耐えられない。
「ねーちゃん、アイス!」
ノックもせずにばたりとドアが開く。
「んーありがと」
受け取った小さな優しさ。小さな空なりの、小さな優しさ。
心配してくれる家族や、琥太郎。そして小椋くんも。
朱里のためにも。少しでも、前に進めたら……。
そんな思いで、久しぶりにタブレットのSNSアプリを開く。
とりあえずイチの投稿だけチェックする。
相変わらずの部活三昧。
そして気分は上がったり下がったり。宿題が終わらず焦っている夏休み終了間近。
イチは、変わらずそこにいた。
最新の投稿にだけイイねを押し、1番気になる個人宛のメッセージを開く。
1ヶ月も放置していたんだ。イチにも嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
そこには当たり障りのないメッセージ。
『今日の部活、マジできつかった』
『暑いから熱中症に注意!』
そして、朱里が亡くなってからも数回。
『宿題終わった?』
『新学期が始まっちゃう。夏休み延長希望!』
『元気でやってますか?』
ベッドに座り壁にもたれて、夜風になびいて開いたカーテンから覗く半月を眺める。
心は、からっぽ。
この苦しみから解放されたいと思うけれど、忘れたいわけではない。
いっそのこと、魔法使いか何かが私の記憶から朱里という存在を消してほしいとさえ思う。
でもそれじゃあ、あのたくさんの楽しい思い出もなかったことになってしまう。そんなの耐えられない。
「ねーちゃん、アイス!」
ノックもせずにばたりとドアが開く。
「んーありがと」
受け取った小さな優しさ。小さな空なりの、小さな優しさ。
心配してくれる家族や、琥太郎。そして小椋くんも。
朱里のためにも。少しでも、前に進めたら……。
そんな思いで、久しぶりにタブレットのSNSアプリを開く。
とりあえずイチの投稿だけチェックする。
相変わらずの部活三昧。
そして気分は上がったり下がったり。宿題が終わらず焦っている夏休み終了間近。
イチは、変わらずそこにいた。
最新の投稿にだけイイねを押し、1番気になる個人宛のメッセージを開く。
1ヶ月も放置していたんだ。イチにも嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
そこには当たり障りのないメッセージ。
『今日の部活、マジできつかった』
『暑いから熱中症に注意!』
そして、朱里が亡くなってからも数回。
『宿題終わった?』
『新学期が始まっちゃう。夏休み延長希望!』
『元気でやってますか?』