私の本音は、あなたの為に。
「うん、大丈夫だと思うよ」


私は、大ちゃんに向かって頷いてみせる。


いざとなった時には、花恋も居る。


きっと、大ちゃんに頼らなくても大丈夫。


「そっか……良かった!」


ほんの一瞬、彼の顔に影が差した。


けれど、すぐに晴れやかな顔になって。



その表情のまま、大ちゃんはある質問をした。


「優希ちゃんって、部活は何に入っているの?」


今日、学校出てくるの早かったからさ、と、彼は笑みを絶やさない。


「部活は…入ってないよ。図書委員会に入ってるけど」


「おぉー」


図書委員会かぁ…、と、大ちゃんは感心したように何度か頷いた。


「今日は、委員会無かったの?」


(えっ…)


その途端、私の表情が固まる。


今日も委員会はあった。


けれど、五十嵐の事が怖いから。


この前言わないで欲しいと念を押したけれど、その事を忘れたしまったかもしれない彼に、またあの事を言われたくないから。


『男っぽいね』


と。


「今日は、無かったよ」


努めて冷静に答える私。


「優希ちゃーん?」


けれど、大ちゃんは挑発する様に私に向かってにやにやと笑って見せた。


彼には、全てがお見通しなのだ。


「…ありました」


私は、恨めしそうに彼を見上げながらそう口にする。
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