副社長は今日も庇護欲全開です
「俺も緊張してるよ。陽菜とここでこうしていることが、まるで夢のようだ」

直哉さんはそう言って、私を自分のほうにゆっくり振り向かせる。そして優しく唇にキスを落とすと、私を抱きかかえた。

「私のほうこそ、夢みたいです……」

お互いに微笑み合いながら、彼は私をベッドルームへ連れていく。

リビングを出て廊下を曲がり、突き当たったところにそれはあった。

窓が大きく開放感溢れる部屋で、中央にはキングサイズのベッドが置かれている。

そこへゆっくり降ろされると、直哉さんの手が私の胸に優しく触れた。

想像できていたこととはいえ、思わず体が小さく跳ねる。すると、彼は穏やかな表情で私を見つめた。

「続けてもいいか? 抵抗あるなら、今日はやめる」

けっして無理強いをしない直哉さんに、私の心は温かくなる。それを感じたら、小さく首を横に振 っていた。

「やめないで……ください」

自分で言いながら、顔から火が出そうなほどになる。だけど直哉さんは微笑むと、服の下へ自分の手を滑り込ませた。
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