くまさんとうさぎさんの秘密

母性

by 中野 馨

「痛っ、、!」私は、小さく叫んだ。彼が、背中に噛みついたのだ。手足をバタバタっとさせたら、手を押さえつけられた。。彼は、噛みついたところに、そっと唇を這わす。。何度も。
全身に、そこから甘い疼きが広がり、足の先、指の先、胸の先まで痺れが走った。

何だろう。最近、彼が変わってしまったような気がする。前は、戸惑いながら、絶対に傷つかないように、探りながら、私が望むことかどうか、一つ一つ確認しながら触れてくれていた。
でも、、最近、ちょっと怖いというか、無理矢理に刺激されるというか、、。
痛みとは言っても、軽くピリッとした程度のことだ。その瞬間、小さく寒い感覚が、ぞくぞくと体をおおい、肌を敏感にさせ、触れる唇や指先の刺激を強くさせる。
嗜虐的な快感に、体が翻弄される。
それに、優しくないかと言われれば、そうでもない。

後ろから私の体に入り込んだ彼自身は、最奥をゆるゆると小突き続いけていた。その度に、鼻にかかった甘い声が漏れてしまう。
「あぁんっっ」
刺激と緊張で感じやすくなった胸の先を、好きな男の指の先で刺激されて、無理矢理昂らされる。

ふいに彼のものが中で暴れだしたので、ベッドシーツを握りこんで疼きを逃す。
「んんっ時ちゃんっっ時ちゃんっ!」
彼は、ひとしきり中で暴れて、ふっと出ていくから、腰がうねった。
「あぁんっっ」

「馨、、。」かすれるような声が耳元で囁く。
声も好き。体が震えた。。

ふりかえると、キスが降ってきて、姿勢を変えて、今度は前から彼が入ってくる。
入り口付近の感じるところをゆっくりと撫でられ、体が弛緩する。
気を抜いていたら、突然また、激しくされて、意識が朦朧とした。蜜壺がキュンキュンと、彼を締め上げている。
「ううっっ」
キスも激しくて、声が出せない。胸の突起が切なく疼くので、彼にすり付けて疼きを逃そうとする。

時ちゃんが唇を離す。
「行っちゃぁぁ!」腰が止まらない。
「行けっっ」彼の声がかすれている。

お互い、一番良いとこすり付けてるんじゃないかと思う。すぐに、来ちゃう。キュンキュンして、それから、真っ白に、もう動けない。

ひくひくとあそこが弛緩するけど、時ちゃんは、動きを激しくした。
「きっつぃンっっ」
上り詰めて刺激に弱くなっているところを激しく突かれて、腰が引けるが、強く抱き締められる。

彼の体は、汗で濡れている。もう一度キスが降ってくる。中に、じわっと彼の熱が広がって、最奥で脈打った。ぎゅうぎゅうと抱き締められる。

元々、こんな風に女を抱く人だったのかもしれない。慣れてきて、それで、自分を出すようになってきたということかもしれない。
普段の様子は変わらない。元々、毒がないというか、物腰柔らかで、落ち着いていて、優しくて。そんな人だと思っていたのに、最近、ことに、セックスの最中だけ、彼が、怖い気がする。後、タバコを持ってる。やめたと言ってたのに、持っていて、セックスの後に、手をのばしては、やめる。やめたなら持ってなければ良いし、吸うなら吸えば良いのに。

彼は、果てたけど、まだ、中にいた。しばらく、二人とも気だるいなかで、動けずにいた。

「時ちゃん、何か、怒ってるの?」と、私は尋ねた。
「いや??」時ちゃんは、気のない返事をした。
「じゃ、、何か悩んでる??」
彼は、ごそごそと姿勢を変えた。
「何で??」
彼は、ごそごそと、また、私の体を触り始めた。
「ちょっっと、、、前と、何か、体の触り方違うから。」
「嫌なの??」
「、、、」
「それとも、してほしい事とか、やめてほしい事があれば言って。。」

彼のあそこは、また、むくむくとかまくびもたげていて、中でゆるゆると動き始めている。

「まだすんの?」
「嫌なの?」
「時ちゃんは、したいことできてる?前も、やりたいようにできてた?」
「俺は、今日は、まだやりたい。。今日は、?馨は?」
あそこが、ひくひくと痙攣して、彼に応える。
「、、、時ちゃんに愛されたい。優しくしてほしい。」
正直、体は、もうキツイ。
「了解。」
私の返事を合意と受け取った彼は、一度抜いて、私をうつ伏せに、腰を持ち上げた。後ろから抱き締めて、真珠を下から撫で上げる。
「ンンっっ」胸の突起が疼く。
この姿勢の方が、奥に当たる気がする。
真珠と、胸と、強い刺激を受けて、あそこがひくひくする。
「俺は、めちゃめちゃいいよ。馨も、いいからヒクついてんだろ」
真珠の刺激がキツくて、腰が動いてしまう。彼の物をしごきあげるように、真珠に触れる指に押し付けるように、、擦り付けてしまう。
「ひゃんっっ」
突然、胸の突起をつままれて、キュンと、あそこがしまる。。
「やっぱり、、何か怒ってる??」
「言いたいこと言えば良いけど、同じ質問何回もするのは何なの??怒ってないよ?何か、怒ってるみたいに見えるの?」
「そうじゃないけど、、。」
不安になるのよ。
「こういう時に、ごちゃごちゃ言うなよ。」と、時ちゃんは不機嫌な顔をした。

やっぱり、、ちょっと怖い。嗜虐的な興奮が体に走り、キュウキュウと彼を締め上げる。
もう一度、胸の突起を捻りあげられて、、もう、なにも考えずに、。腰をふった。
せめて、そこからだけでも、伝わるものが、あれば良い。私は、めちゃめちゃ彼のことを愛してる。彼がどうかは分からない。実は、私、彼に、愛してるって言われたことない。
彼は、私を必要とはしてくれている。
これは、女の勘だけど、彼は、怒ってるんじゃなくて、多分、何か悩んでるんだと思う。。

「馨っっ。めちゃめちゃ良い。。」

私達は、不安を打ち消すように、セックスをする。



< 126 / 138 >

この作品をシェア

pagetop