くまさんとうさぎさんの秘密

祭りのあと

by 熊谷 義明

裏口で宇佐美と合流した。
彼女の手を引いて歩いていると、次の角で誰かもめてた。
平林みやこだった。彼女は、「やめて」と金切り声をあげた。つかまれた腕を振りほどこうとしていた。
俺が、相手の腕をつかんだので、相手が驚いて手を放した隙に、彼女は、リュウジとバイクで逃げた。
俺に手をつかまれたやつだが、えらく腕が細かった。奴は、みやこを追いかけようとしたが、俺は手を離さなかった。
「話があっても、後日にした方がいい。ちょっと落ち着いてください。」と、俺は言った。みやこもリュウジも姿が見えなくなったので、俺は、奴の手を離した。

奴は、一旦はおとなしくその場を離れようとしたけれど、2、3歩歩いたところで、俺の方につかみかかってきた。

俺は、避けた。
あいつの手の細さは、ちょっと普通ではなかった。
押さえつけて怪我でもされたら、と思うと、ちょっと触ることが気持ち悪かった。
奴は、もんどおりうって転んだ。

後ろの方で宇佐美が3人の男に連行されていくのが見えた。裏口には人通りがない。ゾッとした。血が逆流したように感じた。。
「宇佐美!」と、俺は叫んだ。

俺は、一人の奴の足を払った。そいつは、宇佐美の肩を抱いていた奴とぶつかって体制を崩した。宇佐美の体に触ろうとした手を払い、逃げ出した。

ちょっとまあ、とっさのことだったので、宇佐美を抱えて逃げたんだけど、宇佐美は逆さまに近かった。

大通りまで出て、ちょうど出ようとしていたバスに乗った。
「疲れた。。」。。






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