君がいて、僕がいる。
「……あの、北山さんは美咲さんのことをすきになったりしなかったんですか?」
同級生の中でたった一人の女の子。
しかもあの見た目じゃ…
「はは、俺はないよ。俺は美咲のいとこだから」
「え!そうなんですか?」
「うん。小さな村だから親戚ばっかりだよ」
そ、か……美咲さんも北山さんも整った顔に、抜群のスタイルだもんな…遺伝、なのかな
「…なんか、それなら納得ですね。
圭介より北山さんの方がかっこいいから…正直、ちょっとなんで圭介なんだろって思っちゃいましたもん」
「はは、なんかありがと。
まぁ圭介は性格もいいからいろんな意味で人気はあったんだろうね。
ま、美咲しかいなかったんだけど」
「北山さんも優しいしかっこいいので、きっと出会いさえあればすぐに彼女できますよ!
……ってか彼女いないんですか?
「はは、それ今確認するんだね。
いないよ。まぁ後輩とか先輩とかからコクられたこともあるんだけど、やっぱずっと一緒に過ごしてきたから今さら異性に見れないっていうか…
圭介と美咲みたいに、子供の頃からずっと両思いとか意識してなきゃ無理だと思う」
ふぅん…そういうもんなのか…
やっぱり小さい中で育つとそういうこともあるから、それはちょっともったいないな…
こんなかっこいいいのにねぇ。
「真希ちゃんは、どうして圭介と?」
「はは、なんでですかね
……最初はまぁ勢いっていうか…なんとなく、ですかね。
今はちゃんと好きですけどね」
圭介も、最初はきっと私に恋愛意識はなかった気がする。
やっぱり勢いで、というか
私のいきる理由になるためって感じだったし…
「でも真希ちゃんならかわいいし、それこそ他にもいい人いるんじゃないかなぁって。
まぁ圭介のいいとこもちゃんとわかってるんだけどさ。2個上だとなかなか接点ないでしょ?」
「あー、逆にあの頃は圭介しかいなかったんです、私には。
……私、男運なくていつもいつもうまくいかなくて…
圭介とも、本当はうまくいってるわけじゃないんです」
「え、そうなの?」
「はい。端から見たら仲良く見えると思いますけど…本当はそんな簡単じゃなくて…
……圭介、他に好きな人いるんで」
「え!?」
「まぁそれを知っていながら彼女やってるんですけどね。
だから圭介も私に気を遣うときあるし、私自身もそこは触れないように気を付けたりとか…
だから、うまくいってるわけじゃないんです。
うまくいくようにしているだけで」
本来ではありえない、よね…自分の彼氏が他の人を好き、なんてさ。
そんなん、普通だったら別れるもん。
「……真希ちゃんは、それでいいの?」
「…はい。
どうして私じゃないのって、そんなことを思うんですけどそんなことを口に出すことはできない。
たまに、好きになりすぎないようにと制御していたのに、その制御装置すら今は故障中で、私いつからこんなに好きになってたんだろうって、悩むことすらありますけどね。
それでも幸せ感じるときもあるので、今はこのままでいいかなってそう思っています」
甘いときは本当に甘い。
そのときの圭介が、私は大好きだから。