君がいて、僕がいる。



再び繋がられた手は私を立ち上がらせ、圭介と一緒に玄関へと向かう。

そしてついた玄関にはまだ浴衣姿の美咲さんが一人、立っていた。


「圭介、花火ー…_」


だけど、私がいるのをみて、美咲さんの顔が固まる。
これは完全に、私が邪魔者だと思ってるんだろうな。


「あー、悪い。
今年は俺いいわ。美咲たちだけでやって」

「……でもいつもはみんなでやってるじゃん。
いいじゃん、行こうよ」

「でも今年は真希いるし。
俺が連れてきたくて連れてきたから、今年はいい。
悪いな」


圭介がそういうと、美咲さんは下を向いて黙った。
……でも、しばらくしてまた美咲さんの口は開いた。


「圭介、変わったね」


そう、悲しそうな声で。


「は?」

「いつもは、たまにしか会えない私たちとの時間を大切にしてたのに、彼女ができた途端彼女優先?
彼女とはいつも一緒なんでしょ?たまにしか会えない私たちとの時間を作ろうとは思わないの?

私たちの関係って、そんなもんだったの?」


怒って、でも悲しそうにそう話す美咲さんがなんだか苦しそうで

『行かないで』

そう言ったのは、やっぱり間違いだったと気づいた。
許されない。そう思った。

だって、それはやっぱり私のわがままなだけであって、圭介の大切な人はここにもいるわけで
……私だけが、独占していいわけじゃないんだ。


「……圭介、行ってきなよ」

「は?え、行くなら真希も…」

「私はいいよ。私はもう眠いからいい。
ね、だから行ってきなよ。

美咲さん、すみません」


私はそれだけ笑顔で言って、部屋へと戻る。


「、真希っ!」


私を引き留める圭介の声が聞こえるけど、無視。
あの笑顔はもう消えてしまった。

きっともう、本音が表に出てしまっているから。



私は部屋へと戻ってドアを閉めた。



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