君がいて、僕がいる。



今日から4月、短い春休みも終わり頃。
由貴や世奈と出掛けた日はあったものの、ほとんどの日が暇な私。

お母さんが帰ってきてからは将希のためにご飯をつくることもなくなって、本当に毎日が暇だった。


「もう、真希
たまには出掛けてきたらどうなの?」

なんてお母さんに言われる始末。
そりゃそうだよな。
夏休みはあんなに出掛けてたのに…


「……たまには部活にでも顔出してくるか…」

「あれ?真希って部活やってたの?」

「うちの学校は強制参加」


そういって、私は部屋に行って制服へと着替えた。
部活は確かに強制参加だけど、茶道部に所属してる私は全くと言っていいほど参加していない。
……もちろん、今日も行くつもりなんかないんだけどさ。

そもそもやっているのかどうかもわからない。


「いってきまーす」


別に用もないけど、制服を来て家を出た。
つくづく、行くところがない。
由貴はデートで、世奈は部活だしね……




学校につくと、世奈が所属する陸上部が頑張って走っていた。


「世奈~」

「え、真希?なにしてんの?」

「いや特にやることはないんだけど暇で」

「暇で学校来るとかどんだけ」


はは、と笑われ、本当どんだけ暇なんだよと突っ込まれた。
でも世奈も部活があるのでそれだけでバイバイして、私は校舎へと入る。

特に行く場所もない。
でも、特に用がなくてもここにはよく来ていた。
そんなちょっと遠い記憶を引っ張り出して、私の足は階段をどんどん上っていく


< 224 / 248 >

この作品をシェア

pagetop