君がいて、僕がいる。



「…先輩はこんなとこでなにしてるんですか?」


「俺はここで自殺しようとしてる人を止めてんの」


「・・・は?」


「だから、死ぬならここでは死ねないよ
俺がいるから」


「いやだから死にませんってば」


「そう?ならいいけど
真希ちゃんの顔がめっちゃ本気だったからさ」


先輩はそういって、立ち上がって私のもとへと歩いてきた。


「ま、死なないならよかったよかった」


そういって、私の頭をグリグリと撫で回す。
……なんなんだ、この子供扱い加減。


「ところで返事きた?神様から」

「来るわけないでしょ」

「ハハ、そりゃそっか。
……じゃあ俺が、神様の代わりに答えてあげよっか?」

「結構です」

「まだ死んじゃダメだよーって。」

「ありきたりですね」

「だって真希ちゃんはまだこの世に未練があるから」

「━━━え?」


思わず隣にいる先輩の顔を見上げれば、先輩もすごく優しく微笑んでこちらを見ていた。


「未練あるのに死ぬのはなしでしょ」

「それいったら未練なく死ねる人の方が少ないと思いますけど」

「あはは、確かに
それいったらそうなんだけどさー、そうじゃないんだよ」


・・・じゃあどういうんだよ


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