君がいて、僕がいる。



その後、普通の青春映画も見てから
夕飯を食べるために外出した。

そのまま丘にもいくしね。


「そういえばさ、俺は支援とか遺産とかもあるけど
真希は毎日外食しててよく金足りるよな」

「あ、普通に毎日親からもらってるよ。
毎日制服だから学校いってると思われてるし。間違ってないけど、でも勉強のためだと思ってるから毎日ご飯代渡してくるの。
うちの母親はお弁当とか作れるような精神状態でもないし」


もう、本当に外出もほとんどしなくなった。
ちょっと前まで父親と激しく口論してたけど最近は父親の一方的なやつしかないし、外出先も精神科ばかりで……


「……そうなんだ。
お母さん、大丈夫?」

「さぁ、わかんない。
最近は目も合わせなくなったし、会話なんてほとんどないし。」

「それ、真希が助けなくて大丈夫なの?」

「え、私が?なんで?」

「なんでって…家族じゃん。
お父さんも将希ももめてるなら、真希しかいないんじゃん?お母さんにはさ」


……私だけ、か。
でも、私が原因で両親が喧嘩したことだって一度や二度ではないし
私にできることなんか、なにもない。

私が母親の味方をしたら、なんとなく両親の不仲がすすんでいきそう。
父親の味方をする人がいなくなるから。


「ま、それこそ俺が言えたことじゃないけどさ
いなくなってからじゃ遅いから、後悔はしないようにね」


そういう圭介は悲しそうで
きっと、圭介も圭介なりに後悔とかあるんだろうなと思ったら

「……うん」

私は頷くしかなかった。
あんな家族に未来はあるのは…私にはわからないけど

でも、私よりも圭介が悲しそうだから、圭介を悲しませないためにも、私は私にできることをしよう。


「さて、そろそろ丘にいくか」

「あ、うん」


いつもとは違うファミレスでご飯を食べ終え、流星群の時間が調べてみたら思ったより早くて、私たちは暗くなる前に丘へと向かうことにした。

なんか、暗くなるとさらに怖そうだし…
まぁ帰るときには暗くなってるんだけどさ。


< 79 / 248 >

この作品をシェア

pagetop