君がいて、僕がいる。



「ね、そういえば明日登校日じゃん?」

「あー、そうだね。めんどくさっ」

「一緒にいこうよ」

「……え、でも圭介とうちじゃ方向反対だけど」

「いや俺が迎えにいくって」

「めっちゃ遠回り」

「いいじゃーん。お願い」

「まぁ、別に私はいいけど……」


圭介の家から学校まで徒歩5分
私の家から学校まで徒歩10分

ってことは、15分の道のりを歩いてくるわけでしょ?
そこまでして一緒にいきたいですかね。

……私が冷めすぎなのかな…


「ってか家の場所わかる?」

「将希んちでしょ?たぶんわかるはず。」


……まじかい。
それって昔、うちまで来てたってことだよね?
中に入ることはなくても…

それはそれで変な感じ。


「7時半すぎに行くね」

「はやっ」

「いいじゃん。俺は誰もいない学校とか好きだよ」

「朝起きれるかなー」

「俺が起こしてあげよう」

「いや、どんだけ早起きなの」

「何時に起きる?」

「まぁ普通に朝御飯も作らなきゃだしたぶん将希も作っとけとか言うし7時半には準備完了なら…6時かな」

「はや」


いや、6時でもぎりぎりなんだけどな。
圭介はいったい何時に起きるつもりだったんだ。

……でも、たぶん今日も21時過ぎ頃まで一緒にいる。
あ、たぶん家まで送られるのかな。

それで明日も朝から一緒なら圭介んち泊まった方が早くないか?とも思うんだけど
圭介がそれを言わないってことは、それなりに大事にされてるのか?……ただ単に、そこまで好きではないのか?


圭介から『好き』という気持ちは伝わってくるものの、2番目というポジションな私。
いったいアユさんのことはどんだけ好きなんだろう…
あの写真を見る限りではとんでもなく好きなんだろうけど……

その境地がわからない。

私には、わからない。


「……ねぇ、圭介はアユさんのどんなところが好きだったの?」

「は?」

「アユさんてどんな人だった?」


私から、アユさんのことを圭介に聞くのはないかなって思ってたけど…
昼間のあの感じから、私が聞くのはなしかなって思ったんだけど

気になった。
そこまで圭介を惚れさせた女がどんな女なのか気になった。

見た目は完璧なくらいいい女だったけど、それだけであそこまでベタ惚れにはならないだろうし……


「……それ聞いたら嫉妬してくれる?」

「いやだからどんだけ嫉妬させたいの」

「だって全然してくれないから」

「……内容によってはするかもね」


意地でも嫉妬なんかしてやるかって気持ちだけどね。本当は。


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