手のひらの天秤 ~究極の選択ゲーム~

「丸ちゃん……!!」


私はそんな丸ちゃんの肩をつかんだ。


「えっ、……な、なんですか……斉藤さん……」


丸ちゃんは私のことを苗字で『斉藤』と呼んだ。


丸ちゃんの態度も、まるで初めて会った時のようだった。


「な、なんで……? 私のことを苗字で呼ぶの……?」


「だ、だって、斉藤さんとは……ほとんど話したことないですし……その……ご、ごめんなさい……」

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