君のぬくもりを忘れたい
どんかんなひと
2人で教室へ行く。

あぁ…気まずい…
さっきの俺の頭の中を思い出すと、余計むずむずしてくる。

てか、「好きな人」って …
改めて意識するとなんか恥ずかしい。

いやいや、俺らしくない!!
しっかりしろ、河野 日奈太!!!

「どっちから先は入る?」

「え?」

「え?」

壷林さんの質問にびっくりした。
そしてびっくりした俺にびっくりしている壷林さん。

「一緒に入っちゃいけねぇの?」

一緒に入りたくない、とか地味に傷つくぞ。

俺の質問に、壷林さんは答える。

「いけないわけではないけど。河野くんのこと好きな子とかにへんな誤解をしてほしくないから。」


「?」

俺のこと好きな子?って言った?
ないない、いる訳ない。

「…河野くんって鈍感なんだね」

「ど、んかん⁉︎俺が⁉︎」

「驚きすぎだし(それすら気づいてないのか」

壷林さんの口角があがる。

(今…ちょっと笑った、?)

きゅっ と胸が閉まる。

そんなこと言えば壷林さんだって鈍感だ。

綺麗で、男子からモテてるのに。絶対気づいてないし…

「私、先は入るね」

「うん」

壷林さんが入った数秒後、入ろうとした時

「日奈太やーん!!」

下の名前で俺を呼ぶ、男の声がきこえた。



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