羊と虎
しかも、誰にもその事を話していないのか、話してもダメだったのか、負の方向から抜け出せないどころか、突き進んでいる。
「しかし、あいつ、無駄に体力あるよな。普通だったらとっくにぶっ倒れてるぜ」
鈴木が苦笑しながらそう言うと、山葉も頷いた。
「しょうがないな」
山葉がポツリと呟いて、飲みきった缶をゴミ箱に放った。
「ん?」
何がしょうがないのか聞こうとした時、靴音が遠ざかって行くのが聞こえた。
「誰か聞いてた!?」
慌てて廊下に出るが靴音の主は見当たらなかった。
話が途切れた所で昼休みも終わり、二人も席に戻った。