超レ欲ス


「テルー。風呂空いた。入れよ」

頭をわしわしタオルで拭きながら、扉が開けっ放しになっている俺の部屋をのぞき込んで、春巳が言った。

「ああ。母さん先入ってって言っといて」

俺は右手に握られたケータイを眺めつつ、気もそぞろの生返事。

ハルはそれに「あっそ」と短く応え、リビングの方へスタスタ歩いていった。

タクのバーカ。

なにが生理だ。

それならアイツ、こんなにさっさと風呂入るかっての。

……って、いないけど。

部屋でひとり、かれこれ一時間ほど、ケータイとにらめっこしている。

何かしようにも気が乗らない、散ってしまって集中できない。

………ミスッたな。まさか、こんな結果に終わってしまうなんて……。

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