溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
実は明日の日曜日、佐々木君と会う約束をしていた。せっかくだからふたりでどこかに出掛けようと言われ、慌てて砂羽に声を掛けて買い物に付き合ってもらったんだ。

「きっとあの服着ている環奈を見たら、佐々木惚れ直しちゃうと思うよ」

ニヤニヤしながら言う砂羽に、「もう、からかわないで」と文句を言う。

「本当だって。……やっと環奈が幸せになれるかと思うと嬉しいよ」

ホクホク顔で話す砂羽に、感謝の思いが溢れる。

いつも話を聞いてくれて、今日だってこうして買い物に付き合ってくれた。だからこそちゃんと話したい。

「あのね、砂羽」

「ん? なに?」

今まで砂羽にもずっと打ち明けられなかったことがある。それを今、伝えたい。

「昔さ、私の初恋は小学生の時の同級生だって言ったけど、本当は違うの。……高校一年生の時、担任だった先生だったの」

「えっ!? ゲホゲホッ……! ちょっとなにそれ!?」

突然のカミングアウトに砂羽はアイスコーヒーを吹き零しそうになり、慌てて口元を紙ナプキンで押さえた。

あまりの驚きように苦笑いしてしまう。
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