溺愛診察室～一途な外科医に甘く迫られています～

佐々木君に今日想いを伝えようと思った。でもそれは叶わず、後でまた……って思っていたけれど、それじゃ遅いんじゃないかな。今、伝えないとダメな気がする。このまま言えなくなりそう。

そう思うと居てもたってもいられなかった。

「先生、ごめんなさい。……今から後悔しないように、大切な人に想いを伝えに言っていいですか？」

勢いよく立ち上がると先生は目を剥いた。けれどすぐに目尻に皺をたくさん作って笑った。

「おう、行ってこい。ここは俺が出しておく。……今度、同窓会で会った時に良い報告を聞けるのを楽しみにしている」

「……はい！」

ありがとうございますとお礼を言いながら大きく一礼し、居酒屋を後にして夜の街を駆け抜けていく。

伝えたい時に伝えないと、気持ちは伝わらない。私、早く佐々木君に好きって伝えたい。

その思いで佐々木総合病院へと急いだ。