君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「うん。久しぶりだね。ちょっと時間が出来たからさ」


「そっかー。最近よくお前らカップルに会えるな」


「え？カップル？」



お前らカップルなんて、あたしと浩ちゃん以外にない。

でも、凛月くんにあったなんて話聞いてないし、何かの間違いだと思った。



「うん。たしか1ヶ月くらい前かな。同じ感じでここで浩一にあったんだよ」



「そっ……か。それは偶然だね」



浩ちゃんがここの改札を通ったということだ。
でも、彼女のあたしが知らなかったなんてそんなこと悟られたくなくて。
必死に笑顔を保った。
涙が出そうなのをこらえるので必死だった。
でも、何も気づいて欲しくなかった。



「なんかあった？」



そんなあたしの願いなんか、この人には届かないようで。
簡単にそんなこと聞いてきた。