Sweets♡Days
あれから一時間ちょっとが経ち、桐島さんが厨房から出てきた。
「出来たぞ。食べに来い」
それだけ言うと、また厨房に戻っていく。
あたしは、スケジュール帳を閉じて、厨房に向かった。
「それでたったあれだけの材料で一体何を作ったんですか?本当にあたしを納得させるつもりですか?」
ケンカ越しで厨房に入ると、桐島さんは無言であたしにお皿を出してきた。
そこにのっていたのは、シンプルなシフォンケーキ。
「シフォンケーキ…?」
「あぁ。洋菓子の中で一般的でシンプルだからな。味の判断がしやすいと思って。食ってみろよ」
フォークを差し出してくる桐島さん。
あたしは受け取って、一口サイズに切って口に運んだ。