Sweets♡Days
食べ終わると無言でまたアップルパイを一口サイズに切り、それをあたしに差し出してきた。
「え?」
「自分でも食べてみろよ」
そう言う桐島からフォークを受け取り、アップルパイを口に入れる。
甘い林檎の味とシナモンの味が口いっぱいに広がる。
いつもと変わらない味だと思った。
「いつもと変わらない味で美味しいと思うんだけど…?」
そう言うと、はぁ…と桐島がため息をついた。
「何よ、なんか問題ある?」
「ありまくりだ。まず、林檎を煮詰め過ぎてる。林檎の食感が全く残ってない。それから、林檎を煮詰めた後、冷まさずに生地に入れて焼いただろ?」
「う、うん…」
「そのせいでパイ生地のバターが溶けて膨らみが悪くなっている。これでよくいけると思ったな」
桐島がバカにしたように言う。
悔しかったけど、桐島の言ったことは間違ってないので何も言い返せなかった。