Sweets♡Days
あたしが黙ったまま落ち込んでいると、
「まぁ、でも、シナモンと林檎の甘みのバランスの絶妙さと焼き加減は悪くない…。今俺が注意した点を直せばもう少しマシな物になるだろ」
そうボソッと言った桐島。
そんなフォローを入れてくるなんて思ってなくてびっくりして思わず桐島を凝視した。
「なんだよ?俺はただこれ以上ろくでもない物を店に並べて欲しくないだけだ。精々しっかりと改善してまともな物を作ってくれよ」
そう言うと、桐島はまた自分の調理を再開し始めた。
桐島の言葉にムカつきもしたけれど、初めてまともに意見をくれたことに少し嬉しさを感じた。
その後、あたしも隣のテーブルに戻り、もう一度言われたことに注意しながらアップルパイを作り直すことにした。
オープンまでもう少し!
少しでも良いものを作ってみせる!
桐島に負けてられない!
そう改めて意気込んだ。