少年と魔女

少年29サイ









「いってきます」


『いってらっしゃい』







『はーーー。もう、おかしいわ。ここ最近ずーっと坊やがおかしい』



『身長も伸びて、顔つきもしっかり大人になっちゃって。それに…。』






“フレイヤ、いってきます”





『“アイツ”にも少し似てんのよねえ。
ふわぁーあ…』





“俺がフレイヤのことを守る。だからお前は安心してここにいてくれ”



“ばか。泣くなって。お前は笑ってる顔が一番輝いてるんだから”



“俺に何かあっても人間を憎んじゃいけない。人間と俺たちはお互いを知っているようで、何も知ろうとしていなんだ”



“いつかは解り合えると信じている”



“…そろそろ行かなきゃな。いいか、よく聞けよ。ここには特別な結界が張ってある。一度外に出れば中には戻ってこれない”



“何も音がしなくなるまで外に出るんじゃないぞ。約束しよう”



“それじゃあ、いってきます”



“フレイヤ…。愛しているよ”







『あらやだ。寝ちゃってたのね…。なんだか懐かしい夢を見たわ』



『さーてと。ご飯を作っちゃいましょ。犬型のオムライス…はまた坊や扱いしてって怒られそう。ふふ』









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