社内恋愛狂想曲
案の定、奥田さんはオープンテラスの方を気にするそぶりを見せた。

「勝手に店内の席に決めてごめんね。やっぱりオープンテラスの方が良かった?」

「いえ、フルーツタルトが食べられたら席はどこでもいいんです!ただ窓際の席に知り合いに似た人がいて」

「そうなの?声掛けなくていいの?」

「大丈夫です、誰かと一緒だったみたいですし。それにもしかしたら人違いかも知れないので」

席についてメニューを開くと、一番最初のページの目立つところにフルーツタルトの写真が載っていた。

奥田さんの言うようにこの店の看板商品らしい。

だけどやっぱり私はフルーツタルトにはあまり魅力を感じないし、どちらかというとフルーツより生クリームをたくさん食べたい。

ページをめくるとフルーツだけでなくプリンや生クリームの乗ったパフェの写真が並んでいて、俄然食欲が湧いた。

中でもイチゴ、生クリーム、プリンの三つ巴の夢のようなコラボレーションのパフェに目が釘付けになる。

「イチゴとプリンのパフェにしようかな」

「あれ?フルーツタルトにしないんですか?」

フルーツタルトが最高に美味しいと教えてくれたのに別のものを頼むなんて、嫌味に感じただろうか。

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