社内恋愛狂想曲
“そのうち”って言ったかと思えば“いつにする?”って……おかしくない?

サラリーマン同士によくあるノリで社交辞令を言ってみたけど、やっぱりわざわざ予定を立ててまであの餃子を食べに行きたいのかな?

そんなにあの店の餃子を好む同志ができたのが嬉しいんだろうか。

「そうだね、また近いうちにね」

いくら美味しくても、私はそんなに餃子ばっかりは要らないから、伊藤くんをがっかりさせないように無難に受け答えをする。

「近いうちか。予定わかったら早めに教えて。部屋の掃除も引っ越し業者の手配もしなきゃいけないから」

「そうだね、引っ越し業者の…………えっ、引っ越し?!」

伊藤くんがあまりにもさりげなく引っ越しの話をするものだから、危うく聞き流してしまうところだった……!

「そう、引っ越し。どうせ別れるんなら、早いとこうちに来た方が通勤ラクになって良くない?」

「ちょっと!こんなところで別れるとか……!」

同じ会社の人間に聞かれていないかと、慌てて周りをキョロキョロ見回す。

チラホラと見覚えのある顔は見えるけど、聞かれてはいないようだ。

「どうした佐野?なんか挙動不審になってるよ?」

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