社内恋愛狂想曲
同じものということは、護は取引先の担当者が持たせてくれたお土産を、私に持ってきたということね。

女子が喜びそうな京都土産はどこに行ったのかしら?

「週末忙しかったって言ってたから誰と何してたんだろうって気になってたけど……土曜日はそれで忙しかったのか」

どこの誰と一緒に何をして過ごしたのか、まったくわからないヒトには言われたくない。

私の土曜日を詮索する前に、あなたの日曜日はどうなってたのかしらね?

「いとことも母ともいろいろ話したんだけど……私、親にも心配かけてることだし、そろそろ真剣に結婚とか将来のことを考えようと思う」

「うん……そっか」

護は少し驚いた顔をした後、生八ツ橋をテーブルの上に置いて、どことなく嬉しそうにニヤけながら帰っていった。

私は玄関の鍵をしめ、冷蔵庫の前に落ちて潰れた生卵をキッチンペーパーで入念に拭き取りながら呟く。

「“あなたとの”とは言ってないけどね」

明日の休憩時間のお茶菓子は生八ツ橋に決まりだ。




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