社内恋愛狂想曲
「期待に添えるよう頑張ります……」

無難な返しをすると、ずっとうつむき加減だったモナちゃんが顔を上げた。

「私、エースの座は絶対に誰にも渡しませんからね」

その言葉は単なる負けず嫌いから出た言葉ではなく、私には“あなたには絶対に負けない”と言っているように聞こえた。

モナちゃんは本当は、“潤さんは絶対に誰にも渡さない”と言いたかったのかも知れない。


ファミレスに着くと、日曜日の少し遅めの昼時ということもあり、大人数の私たちは少しの間ウェイティング席でテーブルが空くのを待った。

そこでも私はなんとか潤さんの隣を確保した。

モナちゃんは恨めしそうな顔をして、窓の外を眺めている。

今後のことを考えると、モナちゃんと少しでも仲良くなっておきたいけれど、私が無神経に話し掛けることでモナちゃんを傷付けたりはしないだろうかと考える。

高いシューズやジャージも買ってしまったし、私自身が今後もこのチームでバレーを楽しみたいから、できれば一度や二度の練習に参加しただけで辞めるなんていうことはしたくない。

少しも傷付けないようにというのは難しいかも知れないけれど、モナちゃんにはなんとか三島課長をあきらめてもらって、丸くおさめるうまい方法はないものだろうか。

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