社内恋愛狂想曲
なんと、話はそこまで進んでいたのか!

これはまさしく泥沼と言っていいだろう。

それなのにこの軽さはなんなんだ?

「不倫の慰謝料の相場っていったら数百万だろ?橋口、そんな金持ってるのか?」

「あるわけねぇじゃん。だから彼女と結婚しとこうかなーって。手料理以外は別に好きじゃないけど、彼女もそろそろ結婚したいとか言ってたし、なんか適当な理由つけて金借りるつもり」

「あー……会長の孫だっけ?だったらそれくらいは余裕か。結婚したら好き放題できるな」

「でもこっちは切羽詰まってるってのに、仕事が忙しいとか言って全然会えないんだ。この間なんか久しぶりに会ってもやらしてくんねーし、いい歳してもったいぶんなってんだよ」

別にもったいぶった覚えはないんだが?

ただ単に、他の女を抱いた汚ない手で触られたくなかっただけだ。

いい歳で悪かったな、おまえのせいで貴重な3年を無駄にしたからだよ。

しかしなるほど、急に私と会いたいと言い出したのはそれが原因か。

とはいえ私は会長の孫ではないし、どちらにしろあんな男にそんな大金を貸してやるつもりはない。

もちろん結婚なんて絶対にしない。

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