社内恋愛狂想曲
大人なんだからもう少し周りに配慮すればいいのにと思いながら、背後から聞こえてくる話し声になんとなく耳を傾けていると、そのうちの一人がやけに聞き覚えのある声をしていることに気付いた。

これはもしかして……、いや、もしかしなくても後ろの席にいるのは、護と合コン三昧を満喫している同僚たちに違いない。

「なぁ、これってもしかして……」

私の向かいに座っていた葉月が呟く。

「うん……そうみたいだね」

各テーブルが背もたれの高いソファーで区切られたような造りになっているので、あちらは私たちがここにいることにはまったく気付いていない様子で話し続ける。

私たちは手早く日替わりランチを注文して、護たちの会話に耳をそばだてた。

「それで元カノとはどうなってんだ?いい女なんだろ?」

「それがえらいことになってんだよ。先週の金曜日に旦那が出張でいないって言うからホテルに泊まったんだけどな。あいつ、前から旦那に怪しまれてたみたいでさぁ、出張ってのは嫁のしっぽつかむための嘘だったんだよ。ホテル出たところで証拠押さえられて、おまけに旦那が俺につかみかかってきて、弁護士通して話し合おうって言い出してさぁ。そんで慰謝料よこせって。完全にマズったよなぁ」

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