社内恋愛狂想曲
「大丈夫ですか?そうだ、少し外に出ましょうか」

私が小声で尋ねると、三島課長は首を横に振ってグラスをつかみ、ウーロン茶を勢いよく喉に流し込んだ。

そしてグラスに入っていたウーロン茶を三分の一ほど飲んだところで、顔をしかめてテーブルの上にグラスを置いた。

三島課長はまた脂汗を浮かべてうなだれている。

これはただごとじゃない。

もう限界なのだと思って「帰りましょう」と言うと、三島課長はウーロン茶のグラスを指さした。

「ウーロン茶がどうかしたんですか?」

私が尋ねると、三島課長は息を荒くしながら私の方にグラスを差し出す。

「……これ、飲んでみて」

「えっ?飲めばいいんですか?」

三島課長がうなずくので、私はなぜだろうと思いながらグラスを受け取りウーロン茶を飲む。

「……あっ!」

色にごまかされて気付かなかったけれど、グラスの中身はウーロン茶ではなく、かなり濃いめのウーロンハイだった。

「もしかしてこれ……」

私が呟くと、三島課長が小さくうなずく。

下坂課長補佐は三島課長にウーロン茶だと嘘をついてウーロンハイを飲ませ、酔い潰れさせたところを介抱するふりをしてベッドに連れ込もうと目論んでいたんだろう。

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