社内恋愛狂想曲
「えっ?!」

突然何を言い出すのか、有田課長が私の手を握った。

何これ?!

こんなの作戦にはなかったんですけど!!

片手を三島課長に握られ、もう片方の手を有田課長に握られて、私の身に一体何が起こっているのかと頭が真っ白になる。

すると今まで青白い顔でうなだれていた三島課長が突然顔を上げ、私の手から有田課長の手をすごい力で引き剥がし、かばうようにして両手で私を抱きしめた。

二次会を楽しんでいた二課と生産管理課のみんなも、何事かと好奇の目で私たちの方を凝視している。

……なんてことだ。

これは週明けには会社中で噂になるパターンじゃないか……!

突然起こった想定外のできごとを処理しきれず、私の頭の中は真っ白を通り越して大パニックを起こし、小さな私が血相を変えて叫びながら、枕ややかんを抱え縦横無尽に走り回っている。

「有田課長、ダメですよ。佐野は……志織は俺の婚約者です。絶対に渡しません」

「あらー……それは残念」

有田課長は笑いを堪えながら両手を挙げて、降参ポーズを取った。

三島課長は強い力で私を抱きしめながら、下坂課長補佐の方を見る。

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