社内恋愛狂想曲
「その若さで課長さんで、スポーツもできるのね。お顔もいいし背も高いから、かなりおモテになるでしょうね」

これはもしかして……言い方はソフトだけど、女性関係に不安はないか探りを入れているつもりなのか、母よ?

「いえ……そんなことは……」

いや、うん……そんなことあるんだけど、一応謙遜するよね……。

だいたいここで「はい、俺めちゃくちゃモテますよ!」なんて言うわけがないんだから、これ以上変なことは聞かないでほしい。

「あらまあ、ご謙遜を……。こんなに素敵な方がモテないわけないでしょう。きっときれいなお嫁さん候補がたくさんいたんでしょうね。本当にうちの志織でいいの?後悔しない?」

なんちゅうことを言うんだ、この母は!

普通、自分の娘と結婚したいと言って挨拶に来た人に向かってこんなこと言わないよね?

父は母の暴走を気にも止めず、きんつばを手にとって包みをはがし、美味しそうに食べ始めた。

なんだこの夫婦?!

さすがの潤さんも絶句している。

私は握りしめた拳を膝の上に置き、恥ずかしさと怒りでうつむきながら肩を震わせる。

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