社内恋愛狂想曲
そんな私の気持ちを察したのか、潤さんはテーブルの下でそっと私の手を握った。

「あの……それでしたら心配要りません。実は僕はわけあって昔から女性不信というか、女性が苦手でして……女性と二人きりになるのも苦痛で、特に性的なアピールをしてくるような女性に触られたりすると具合が悪くなるんです」

潤さんが説明すると、両親は大きく首をかしげた。

そりゃまぁそうだろう。

娘と結婚したいと言っているのに女性が苦手だと言われたら、だったらうちの娘は女じゃないのか?と思われてもしかたがない。

私だって潤さんにとって自分は恋愛対象外、つまり女性として見られていないと思っていたんだから。

「えーっと……だったらどうして志織と結婚したいの?うちの志織はこんなだけど、一応女の子よ?」

案の定、母が尋ねた。

“こんなだけど一応女の子”ってどういう意味だ!

娘に対して失礼すぎやしないか?!

「他の女性は苦手ですが、志織さんは特別で……僕は志織さんが入社して間もない頃からずっと、志織さんのことが好きだったんです。一緒にいると安心もするし、すごく幸せな気持ちになって、ずっと一緒にいたいと思います」

潤さんは真剣な顔をして母の質問に答えた。

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