社内恋愛狂想曲
「おばさんが心配して本気で志織にお見合いさせようとしてるって、うちのお母さんが言ってたよ」

「まだ若い珠理が結婚することになったもんだから、お母さんの方が焦ってるみたい。婚活しろとか急に言い出しちゃってね……」

千絵ちゃんは赤ちゃんをそっとベビーベッドに寝かせてベッドに座ると、私にもソファーに座るよう促した。

「でもなんでお見合いなの?志織、彼氏いるよね?」

ギクッとして作り笑いを浮かべると、察しのいい千絵ちゃんは、私が母に婚活を断りきれない事情があると気付いたようだ。

心の奥底まで見透かすような視線が怖い。

「もしかして別れた?」

「いや、まだ別れてはいないけど……」

「ふーん……まだっていうことは、いずれそうなるってことかな」

しまった、これでは別れたことを否定するつもりが、うまくいっていないことを自白したようなもんじゃないか!

「志織は嘘がつけない性格なんだから、悪あがきはやめてお姉さんに正直に話してごらん?」

あまり心配はかけたくないけれど、嘘をついて取り繕ったところで何も解決しないんだから、洗いざらい正直に話してしまった方がいいのかも知れない。

社内恋愛で歳下の部下との結婚に成功した千絵ちゃんなら、何かいいアドバイスをくれるだろうか?

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