社内恋愛狂想曲
お酒の勢いも手伝って二つ返事でOKした千絵ちゃんは、翌日には祖父の法事で親族に旦那さんを紹介して、さらにその翌日には入籍を済ませ、千絵ちゃんの買ったマンションで一緒に暮らし始めた。

「付き合って3か月っていうのは嘘だったの?」

「そう。ホントは交際0日」

「えーっ……普通では考えられないよ……」

恋愛だってうまくいかないことばかりなのに、付き合ってもお互い好きでもない人と結婚して、結婚生活がこんなにうまくいくとは!

しかも会社では同じ部署の上司と部下だったわけだし、婚姻届を出したからといって急に特別な感情が持てるものだろうか?

例えて言うなら私が護の浮気の腹いせに瀧内くんと結婚するようなものだから、私はきっと千絵ちゃんと同じようにするのは無理だと思う。

「それでよく夫婦仲がうまくいってるね」

「結婚するからには一生添い遂げるつもりだって言ってくれたけど、そんなこと言ってもしばらくしたら若くて可愛い彼女でも見つけて出ていくんだろうなと最初は思ってたよ」

「じゃあ、千絵ちゃんの予想ははずれたわけだね」

私がそう言うと、千絵ちゃんは少し照れくさそうに笑った。

ハッキリと言葉にして言わなくても、幸せだということが伝わってくる。

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