社内恋愛狂想曲
「俺も。子どもが早く欲しいってのは嘘じゃないけど、しばらくは二人きりで恋人気分を味わいたいってのが本音かな」

潤さんも同じことを考えていたとわかって安心した。

私たちは考え方や価値観がよく似ているような気がする。

この先の長い人生を一緒に歩いていくのだから、それはとても重要なことだと思う。

「うちのお父さんが、子どもは授かり物だって言ってたもんね。一番いいタイミングで授かるといいな」

「そうだな。子どもができるまでは、志織のこと思いきり独り占めしたい」

潤さんはとびきり甘い声でそう言って、私の頬に口付ける。

「うん……私も、潤さんを独り占めしたいな」

「いいよ。俺の全部、志織のものだから」

「ん、わかった。では早速……」

私からキスをすると、潤さんは嬉しそうに笑って私を抱きしめた。

「志織かわいすぎ……。俺めちゃめちゃ幸せ……」

「私も。だからもっと」

私が甘えた声でそう言って唇を少し突き出すと、潤さんはとろけそうな目をして笑った。

「うん、いっぱいしよ」

私たちはクスクス笑いながら、抱きしめ合って何度も何度もキスをした。

どこまでも激甘で優しい潤さんを独り占めできる私は、本当に幸せ者だ。



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