社内恋愛狂想曲
婚姻届は入籍する二人だけでなく、証人も本籍地を記入する必要があるようだ。
婚姻の証人になるということは、証人としてそれなりの責任を持たなければならないということなのだろう。
母が氏名に続き住所と本籍地の記入を終えると、次はゆう子さんが証人欄に記入してくれた。
証人になってくれた両家の母の顔に泥を塗るようなことだけはしてはいけない。
そして潤さんのお父さん……いや、お義父さんのくれた新しい名字の判子を生涯使い続けられるよう、潤さんと添い遂げることを心に誓う。
「あとはこちらの婚姻届を潤くんの本籍地の役所に提出するだけですね」
ゆう子さんは朱肉の蓋をしめながらそう言った。
先ほどの婚姻届に署名したときとはまた少し違った緊張が全身に走る。
「本来なら嫁ぐ日の朝は花嫁がご実家でご両親にご挨拶をするのが理想的なのですが……でもこれで志織さんは、ご実家から潤くんの元へ嫁ぐことができますね」
それを聞いて初めて、ゆう子さんがあんなに時間を気にしていたのに、わざわざ私の実家に立ち寄った理由がわかった。
本当に時間が惜しいのであれば、婚姻届の記入は私の借りていたマンションの部屋でも車の中でも、ペンと下敷きさえあればどこでだってできたはずだ。
婚姻の証人になるということは、証人としてそれなりの責任を持たなければならないということなのだろう。
母が氏名に続き住所と本籍地の記入を終えると、次はゆう子さんが証人欄に記入してくれた。
証人になってくれた両家の母の顔に泥を塗るようなことだけはしてはいけない。
そして潤さんのお父さん……いや、お義父さんのくれた新しい名字の判子を生涯使い続けられるよう、潤さんと添い遂げることを心に誓う。
「あとはこちらの婚姻届を潤くんの本籍地の役所に提出するだけですね」
ゆう子さんは朱肉の蓋をしめながらそう言った。
先ほどの婚姻届に署名したときとはまた少し違った緊張が全身に走る。
「本来なら嫁ぐ日の朝は花嫁がご実家でご両親にご挨拶をするのが理想的なのですが……でもこれで志織さんは、ご実家から潤くんの元へ嫁ぐことができますね」
それを聞いて初めて、ゆう子さんがあんなに時間を気にしていたのに、わざわざ私の実家に立ち寄った理由がわかった。
本当に時間が惜しいのであれば、婚姻届の記入は私の借りていたマンションの部屋でも車の中でも、ペンと下敷きさえあればどこでだってできたはずだ。