社内恋愛狂想曲
ゆう子さんは二人で選んだ指輪にどんな文字を刻印するのかと私たちに尋ねた。

一般的には結婚記念日や相手の名前などを入れるそうなので、私たちも今日の日付と相手の名前を入れることにした。

文字を入れてもらうのなら指輪は仕上がり日までお預けかと思ったら、店の奥に刻印する機械があるので今すぐできるらしい。

ゆう子さんは私たちの選んだ指輪を持って店の奥に入って行く。

待っている間、潤さんも先ほど行った店で婚約指輪に刻印してもらったと言うので、指輪を外して裏側を見てみる。

「“All the way together”……?」

「これからの人生を“共に歩もう”って意味で……。志織、ずっと一緒にいような」

潤さんはそっと私の右手を握って照れくさそうに呟いた。

「うん……ずっとね」

手を握り返して答えると、潤さんは愛しそうに目を細めて微笑んだ。

私たちはお互いの手を握り、これから先の長い人生を共に歩むことを誓い合う。

千絵ちゃんが言っていたように、私も何十年も先の天寿をまっとうするときに、この人を選んで良かったと思える人生が送れるといいなと思った。



< 961 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop