社内恋愛狂想曲
私たちがそんな話をしている間、瀧内くんは黙々と箸を進めていた。

こういう話にはあまり興味がなさそうではあるけれど、瀧内くんも結婚とか将来のことを考えたりはするんだろうか。

それ以前に、瀧内くんに好きな人とか彼女がいるという話は一度も聞いたことがない。

もしいるとしたら、普段はクールな瀧内くんも彼女の前では甘くなったりするのかなとか、このきれいに整った顔をフニャッとさせたり、甘い言葉を囁いたりするのかな、などと思ったりする。

一度考え始めると気になってしょうがないけど、瀧内くんの性格を考えると自分から進んでそんな話はしそうにないし、思いきってさりげなく聞いてみようか。

瀧内くんが食事を終えて箸を置いたタイミングで、私は思いきって口を開く。

「そういえば……一度も聞いたことないけど、瀧内くんって彼女とか好きな人はいるの?」

思いきった私の質問に、潤さんも伊藤くんも葉月も驚いて目を大きく見開いている。

瀧内くんの雰囲気がそうさせないのか、やっぱりみんな直接聞いたことはないらしい。

差し詰め私はチャレンジャーってとこだろうか。

瀧内くんは食後のお茶をすすりながら、私の方を横目でチラッと見た。

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