社内恋愛狂想曲
付き合っているようには見えなかったけれど、そういえば初めて練習に参加した日に、瀧内くんが里美さんのことを「元気でかわいいお姉さん」と言っていた。

里美さんもまんざらじゃなさそうだったし、いつも歳上の人には敬語で話す瀧内くんが里美さんにだけは敬語を使わず話していたのも、実はあのとき既に付き合っていたと言われると合点が行く。

なんにせよ、瀧内くんは16年もかけて、6歳の歳の差を越え初恋の里美さんと結ばれたと、そういうことだ。

予想だにしなかった瀧内くんと里美さんの結婚話に、自分が今日結婚したことをうっかり忘れてしまいそうなほどの衝撃を受けた。

「っていうか……玲司、昨日入籍したのになんで今日ここで晩御飯食べてるねん?家で里美さん待ってるんとちゃうん?それともまだ一緒には暮らしてへんのか?」

そう言われてみればそうだ。

瀧内くんがここにいるのがあまりにも当たり前すぎて、葉月が突っ込むまで誰も気付かなかった。

「僕のマンションで同居する準備はできてますけど、里美さんは年末休みに入るまで仕事で帰りが遅くなるので実家から通勤してるんですよ」

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