社内恋愛狂想曲
「そんなん言うても今すぐは無理やろ……」

「じゃあ明日でもいい!とにかく俺は早く葉月の夫になりたい!俺も葉月を妻って言いたい!」

伊藤くんの言っていることはなんだかめちゃくちゃな気もするけれど、伊藤くんはとにかく葉月のことが死ぬほど好きで、誰にも葉月を取られたくないんだということだけはわかった。

「葉月が奥さんになってくれたら、俺は社長でも署長でも、なんだって頑張れるよ」

社長になることはあっても、署長になることはないと思うけれど、伊藤くんは真剣そのものだ。

伊藤くんの熱意に押されたのか、葉月はうつむいたままで小さくうなずく。

「志岐がそこまで言うんやったら……予定より早いけど、籍入れよか……」

「やったぁ!じゃあ今から役所に行こう!そんで夜間窓口で婚姻届を出そう!」

伊藤くんは嬉々として葉月の腕を掴み、今にも飛び出して行きそうな勢いだ。

葉月は伊藤くんの暴走を止めようと、背中をバチンと平手で叩いた。

「いってぇ!何すんだよ!」

「調子乗りな!明日でええ言うたんあんたやろ!これから食器の後片付けや!」

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