クールな次期社長と愛されオフィス
「外掃除終わりました－！テーブルとイス拭きます！」

そう言って袖をまくり、炊事場に干してある布巾を何枚か手にとり水に濡らす。

そして、手早くテーブルとイスを拭いていった。

全て拭き終えて店内の振り子時計に目をやると丁度８時だった。

よし、時間配分完璧。

「マスター、終わりました」

「アコちゃん、毎朝ご苦労さん。はい、飲んでいきな」

そう言ってマスターがカウンター越しに置いたグラスにはなみなみと注がれた作りたてミックスジュース。

毎朝これを作って私を会社に送り出してくれる。

私の１日の元気の源だ。

「いつもありがとう」

喉が渇いていた私は一気にそのジュースを飲み干した。

バナナが入っているせいでほんのり甘いビタミンCを補給すると、エプロンを外してバッグになおした。

「毎朝ここに通って会社へ行く生活はもう何年になる？」

「えっと、入社した時からだから、もう５年ですかねぇ」

化粧を直しながら答える。

「ほんと、よくがんばるよ。若いのに大したもんだ」

マスターは穏やかに微笑みながら腕を組んで頷いた。

「じゃ、行ってきます！今日は夜に会議が入ってるからこちらに来るのは２０時くらいになっちゃうかも」

「慌てなくていいさ。今日はアルバイトのミズキちゃんもいるし」

「はぁい。じゃ、また夜に！マスター、いってきまぁす！」

私はマスターに手を振ると、ベルの音を響かせながら外に出た。




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