クールな次期社長と愛されオフィス
「はい、紅茶も色々ありますが」

見とれていた私は慌てて答える。

「メニュー表に、『当店おすすめ日替わりブレンドティ』ってあるんだけど今日はどんなブレンドティ?」

「え、ええっと、今日はダージリンとキームンを店のオリジナルでブレンドしたロイヤルブレンドティです。飲みやすい日本人好みのお味だと思います」

素人にこんなこと伝えたところであまり意味はないと思うんだけどとりあえず答えてみた。

「ふぅん。ロイヤルブレンドティね。まぁいわゆる定番ってとこだな」

その男性は口元に手をやりながら、面白くなさそうな顔でつぶやいた。

な、なんなの?この人?初めて来たくせにえらそうなんですけど!

「おすすめ日替わりっていう割には普通だけど、それもらうよ」

僅かに口角をあげて、私を見上げて言った。

普通って!?一言多くない?

まぁ確かに普通っちゃ普通だけど、飲みやすい紅茶が一番だと私は思ってるからおすすめにしてるだけなのに。

イケメンに一瞬目を奪われたけれど、こんなクールでえらそうな雰囲気の男性はどうも苦手だ。

秘書室で嫌と言うほど見ているからかもしれないけど。

きっとお金持ちに多いタイプだろう。

所詮分かり合えない人種なんだと自分に言い聞かせながら私は「はい」と頷くと紅茶葉を取りにいきお湯を沸かした。

紅茶葉を丁寧にポットに分量を考えて入れる。

湧いたお湯をゆっくりと注いでいった。

湯気がふわっと立ち上り香ばしくて甘い香りが匂い立つ。

男性の前にティーカップセットを置き、紅茶の入ったポットをその横に持って行った。

そして、すぐにティーカップに注ぐ。

紅茶葉は蒸らす時間が命だ。

長すぎても短すぎてもいけない。

それは私が今まで研究しつくした時間。

男性はじっと私の淹れる様子を黙ったまま見つめていた。









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