秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

連れてきて貰ったのは、
大通りの中にあるお洒落なウッドハウスのレストランだった。

海斗さんが運転席に座ったまま長い腕を伸ばして、私の座る助手席のドアまで開けてくれた。

その近い距離に少しだけ緊張して、ありがとうございますという声が上ずる。

そのまま二人で車を降りてお店に入る。
ドアをあけるとカランカランと可愛らしいドアベルが小さく響いた。

「いらっしゃいませ」

そう言って挨拶をしてくれたウェイトレスさんが、海斗さんを見て小さく固まり、小さく頬を染める。


仕事とはいえ、なんだか私が隣に並んでいるのが申し訳なく感じた。


「二名様ですね。こちらのお席にどうぞ」


そうやって窓際の席に案内された。
二人で向かい合う形になって座る。

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