秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「そうですね‥‥。まぁ言われてみれば確かに九条さんって美人っていうより美少女感抜けてない感じですよね」

「──えっ?」

投げかけられた思わぬ言葉に一瞬頭が追いつかなかった。

え‥‥び、美少女?

まだ27だけどもう少しで28になる私には到底似合わなくておこがましい日本語に目をぱちくりする。

また冗談でからかわれているのかと思ったが、海斗さんはいたって真顔でそういう様子でもない。

「比べなくてもいいんじゃないんですか?俺は九条さん、可愛らしいと思いますよ」

「‥‥‥‥‥。」

そんな事を真顔でサラっと言われて、カーっと顔が赤くなるのが分かった。


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